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排尿量が多い場合は糖尿病の可能性がある

糖尿病は英語でdiabetesという英単語を使うことが一般的ですが、このdiabetesはもともと「多尿の状態」という意味を持つ英単語です。
尿崩症という、抗利尿ホルモン・バソプレシンの働きが不十分になって尿量がとても多くなってしまう疾患でもdiabetesinsipidusという英語の訳が付いています。
つまり、糖尿病も尿崩症も、命名された当初は血液中の糖やホルモンの値は全く気にすることなく、ただ尿量が多い病気、という具合で命名されたのです。
ですので、糖尿病の初期症状は尿崩症同様に、多尿となります。

では、糖尿病はどういった理由で多尿を生じるのでしょうか。
まず糖尿病と言えば、血糖値を下げる作用があるインスリンが働かなくなることによって高血糖が持続する病気です。
この血中の糖が十分に細胞に取り込まれず、尿に大量に排出されるので糖尿病という名前が付きました。

つまり、糖尿病患者の尿にはたくさんの糖が含まれているのです。
尿細管という器官は、排出される尿から人体に必要な水などの成分を回収する働きがあります。
糖尿病患者の場合普通より糖が多い尿のために水が相対的に少なく、普通の方より水分を体内に戻すシステムが働かず、結果尿量が増加します。

また、血中でも糖濃度が高い状態が持続するため、濃すぎる体液を嫌う人体は、中枢神経によって糖で濃すぎる体液を薄めるために水を補給するよう、喉の渇きを実感させます。
こうして水を飲むと血液はいい塩梅まで薄まりますが、今度は摂取した水のために血液が非常に多い状態になります。
体液量が多いと高血圧となり、生じた高血圧は心負荷を引き起こして心不全の原因になります。
心不全になるほどの血液は余分なので排出していかなければなりません。
その結果、また尿量が増える原因になります。

つまり、糖尿病では喉が渇いて水を飲む、余剰になった水分を多量に排出する、再吸収がそれほど起こらないという3つのメカニズムによって多尿が誘導されるのです。
多尿に加え口渇を感じたら糖尿病のサインかもしれません。

頻尿と多尿は別物?

多尿とは一日の尿量を蓄積した場合に常人よりも多い状態のことを指す言葉であって、尿の回数について言及している言葉ではありません。
多尿のみを抱えている方であれば産生された尿が膀胱にパンパンに溜まっている状態を経て排尿することになります。
尿の産生量そのものが多いためにすぐいっぱいになりますので、回数としては増加しているように感じますが、主体は尿の産生過剰であるという点を忘れてはなりません。

一方、トイレが近いという方にはどのようなことが起こっているのかと言うと、端的には膀胱がいっぱいになる前にトイレに行きたくなる症状が起きているということなのです。
原因は様々ありますが、最も多いのは自律神経障害であると言われています。
膀胱の膨大と収縮は自律神経である交感神経と副交感神経によってコントロールされています。
本来、リラックスを反映する副交感神経系が活発になっていると排尿が誘導されます。
自律神経障害のために副交感神経の作用が過剰になる、もしくは逆の働きをする交感神経が十全に力を発揮できていない場合に膀胱は収縮しトイレが近くなります。

ごく稀に、子宮や卵巣などの骨盤内臓器にできた腫瘍が膀胱を圧迫している場合もあります。
女性はそもそもの膀胱のキャパシティ自体があまり大きくなく、子宮病変による圧排を受けやすく、自律神経障害も生じやすいなど、比較的トイレが近くなりうる素因があるため、緊張性膀胱などで泌尿器科を訪ねる女性は多いです。

おそらく、泌尿器科で一日分の尿量を採取することで、多尿が原因なのか、別の要因でトイレが近くなっているかが明らかになるでしょう。
尿量が多いな、トイレが近いな、と感じることがあれば迷わず病院を受診することをお勧めします。

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